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ロストボーイ
著者
デイヴ・ペルザー
/
田栗美奈子
出版社
ネオテリック
発売日
1999年04月
サイズ
単行本
価格
1,870 円
“It”と呼ばれた子少年期
4歳のころから母親の執拗な虐待を受けつづけたデイヴだったが、12歳のときに警察に保護され、フォスター・チャイルド(里子)として18歳までホームで生活することになる。しかし、ホームを転々としながら偏見や差別にさらされ、虐待の記憶に苦しみ、母親の影におびえる日がつづく。ある時は友達に裏切られ、放火犯の汚名を着せられ施設に送られてしまう。また母親は、それを口実に精神病院に送ろうと画策する。そんな境遇のなかでも、フォスター・ペアレンツ(里親)や友達と出会い、そして別れ、やがてひとりの人間として、新たに旅立っていく。
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みんなの感想
CLAUS
2011-09-06 更新
「ぼくは太陽から顔をそむけた。涙がひとすじ、ほおをつたって落ちた。」 母親との関係があまりにもうまくいっていないことを、恥ずかしく思ったからなのか、または、そのことを悔しく思ったのか、悲しく思ったのか・・・どちらにせよ、このときのデイビッドの感情はおそらくこの文章のようなシンプルなものではないだろう。いや、それ故に最も単純なものだったのかもわからないが。 「母さんの言葉が頭の中に響きわたっていた。『ぜったいにお前を逃すもんか。ぜったいに!』」 「母さんはもう一度抱きしめてくれた『幸せな人生を送りなさい。』」 この一文からも分かる通り、やはり母親は彼のことをひどく憎んでいるようだ。なのに、時々垣間見せる彼への愛情は一体どんな意味が含まれているのだろう。 「空想は夢に過ぎず、現実こそが生きることなのだ。」 彼は、長い間過去の幸せや自分がスーパーマンになる夢を描き、そして、それが現実になると信じていた。だが、おとなになり、社会に馴染んでくるに連れて、その考え・願望が薄らいでいったことが伺える描写である。(が、彼はその後、実際にスーパーマンへと変身する)
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