|
|
土地(第5巻)
|
本巻に放たれる日本批判は、容赦なく烈しい。あたかも植民地朝鮮に生まれ、宗主国の国語で知の洗礼を受けた朴景利自らの引き裂かれた生い立ちへの愛憎のようだ。満州事変から太平洋戦争の勃発前夜までを描いた本巻では、朝鮮人の心にある「恨」を拠に日韓文化を比較し、日本により客体に貶められた朝鮮の主体回復を試みている。朴景利が往々にして「反日作家」と言われる所以だろう。しかし本書を読んだ読者は、著者の文学地平がすでに「反日」の泥濘を通り抜けて、生きとし生けるものへの憐みを湛えた生命賛歌へと開かれたことに気づくであろう。
小説・エッセイ > 外国の小説
|
みんなの感想
登録している読者
この本を読んだ人はこんな本も読んでいます
|
|
|