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我に秘薬あり 家康の天下取りと正倉院の名薬「紫雪」 山崎 光夫(著) 講談社 - @Books

我に秘薬あり 家康の天下取りと正倉院の名薬「紫雪」

著者山崎 光夫
出版社講談社
発売日2013年10月23日頃
サイズ単行本
価格2,530 円

高貴中の高貴薬といわれるのが、「紫雪」である。まさに秘薬であった。医薬の研究者なら一度は目にして、できれば口に含んでみたいと熱望する名薬である。口中に投じれば淡雪のように融けるという。そこから、「雪」の字が当てられていた。用いる生薬類も入手困難のうえに高額で、製法に高度な技術を要するので、当時、製剤は事実上、不可能だった。中国から輸入され、唯一、正倉院に所蔵されているだけである。奥医師ですら現物を見た者はいない。幻の薬である。その幻の薬を家康は欲したのではないか。医典籍を渉猟し、みずからも製剤するまでに医薬に長けた家康だからこそ、正倉院に幻の薬を発見して入手を思いたったといえる。家康は単なる好奇心だけで「紫雪」を探したのだろうか。

小説・エッセイ > 日本の小説 > 著者名・やらわ行

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