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楽園
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エルヴェ・ギベールは、エイズと闘いながら命と競うようにして作品を書き続け、’91年末36歳で逝った。死の翌月『赤い帽子の男』が刊行され本国フランス中に衝撃を与えたのだが、それから約1年を経て発表され更に大きな話題を集めたのが本書である。『楽園』、『天国』とも訳せる極めて暗示的な題名のこの作品、主人公はマルチニーク島やタヒチのボラボラ島など南の海の「楽園」を美女と一緒に旅して回る。これまで「男と女」の関係を決して描いたことのなかったギーベルが、ここではくり返し「ぼく」と女の激しい愛を描き、更に未知の文学世界に踏み込んでいく。彼の絶筆となったこの作品、悲しいほど純粋で残酷な想像力が胸を衝く。
小説・エッセイ > 外国の小説
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