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完全脱獄 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
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ボートの先にオレンジ色の光が見えた。奇妙な建物を照らす、巨大な投光照明。そう、厳重な警備で知られるサンクエンティン刑務所だ。ベンは考えた。四日以内に兄を脱出させなければ。なんとしても…房内でアーニーは、ただ一つのセリフを頭の中で繰り返していた。このままでは処刑される。弟の手を借りて脱獄しなければ。なんとしても…脱獄不可能の巨大刑務所からの脱獄計画を描く、異色作家の奇想天外なサスペンス。
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