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憎悪の世紀(下巻)
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なぜ20世紀は世界的殺戮の場となったのか
双方に多大な犠牲者を出した第二次世界大戦は、ファシズムの枢軸を打倒した連合国側の勝利に終わった。だがそれも平和に向かう人類全体の勝利とはとうてい言えなかった。以後イギリスやアメリカは、大戦中に手を結んだ「赤い悪魔」ソ連と半世紀にわたる冷戦を余儀なくされ、その代理戦争として朝鮮やヴェトナムで多くの人々の血が流れることになった。一方、「帝国」覇権の消滅によって中東、アフリカ、アジアで独立の気運が高まり、それにも流血がともなった。冷戦終結後の90年代になっても暴力は止まるところを知らず、バルカン半島やアフリカなどで民族紛争は続いた。20世紀の血なまぐさい特質は21世紀にも負の遺産として持ち越されるのであろうか。それとも東西両陣営が結果的に核の使用を思い止まったように、多少の希望を持ってもよいのだろうか。そのために世界には何が必要なのか。著者ファーガソンは本書の中で、定量的で巨視的な歴史分析と、人の心の中を覗き見る洞察力で、これらの問いに敢然と挑んでいる。いま世界がもっとも注目するヒストリアンの代表作、初の邦訳。
人文・思想・社会 > 歴史 > 世界史
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