|
|
月が昇らなかった夜に (ハヤカワepiブック・プラネット)
|
文化大革命の混乱冷めやらぬ、1978年の北京で、私はその仏典に出会った。フランスからの留学生だった私は、ベルトルッチ監督の『ラストエンペラー』に関する会議に通訳として雇われ、ある聖遺物を巡る物語に触れたのだった。歴代の皇帝が所有していたその仏典は死語となった古代語で書かれ、溥儀も解読に耽溺したといわれるが、彼自身の手で遺棄されて以来、完全な形で目にした者はいないという。その後の私の人生は、のちに愛することになる男と同じ名を持つ言語で書かれたこの仏典に絡め取られていった…。パリ在住中国人の著者が、変わりゆく中国を舞台に描いた仏教版「聖杯伝説」。
小説・エッセイ > 外国の小説
|
みんなの感想
登録している読者
この本を読んだ人はこんな本も読んでいます
|
|
|