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サトリ 下
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アメリカ側の裏切りによって、ニコライは深手を負うが、ソ連寄りの毛沢東の政策に反対する中国国防部長らの一派に命を救われる。国防部長の副官、余大佐にニコライは巧みに取引をもちかける。ヴェトナムでは激しい独立闘争でフランスの支配が揺らいでおり、アメリカがフランスの後釜に座ろうと画策していた。国防部長らはその企みを密かに封じ、アメリカと協力関係を築きたいと考えていた。そのためには、独立闘争を展開するヴェトミンにロケット・ランチャーを売って闘争に勝利させ、アメリカにヴェトナム介入を断念させる必要があった。こうした状況を踏まえ、ニコライは自分がロケット・ランチャーをヴェトミンに売る役目を果たそうと申し出たのだ。報酬として彼は、新たな身分と身分証明書を求めた。要求が受け入れられたニコライはロケット・ランチャーとともに、中国の雲南省からヴェトナムに向けて出発する。自分を裏切ったアメリカ側に復讐することを誓って。だが、行く手には、大自然の猛威とソランジュとの再会、そして激烈きわまりない闘いが待ち受けていた。
小説・エッセイ > 外国の小説
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