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新興諸国の現金給付政策 宇佐見 耕一(著) アジア経済研究所 - @Books

新興諸国の現金給付政策 (研究双書 618)

著者宇佐見 耕一 / 牧野 久美子
出版社アジア経済研究所
発売日2015年03月05日頃
サイズ全集・双書
価格3,190 円

アイディア・言説の視点から

新興諸国における社会保障の問題点は、社会保険でカバーされない広範な階層が存在することである。そうした階層へ社会保障を拡大する手法として、社会扶助としての各種の現金給付政策が拡充されている。本書の課題は、新興諸国においていかに現金給付政策が拡大したのかというものである。われわれはこの課題に向き合うに当たって、アイディア・言説の果たす役割に注目した。アイディア・言説の役割に注目したのは、新興諸国で採用されている現金給付政策の背景に人的投資あるいはベーシックインカムといった国際的に流布しているアイディアがあり、それがどのように当該国に伝播し、そこでどのように定着していったのかをトレイスすることが本書の課題に対する回答を導き出すのに適切であると考えたからである。また、そうしたアイディア・言説は国を超え、さらに国内の階層を超えて、すなわち利益を超えて共有されていることが推定されたからである。たとえば、条件付現金給付政策は、ラテンアメリカにおいてほとんどすべての諸国で採用されている。 そこには右派政権から左派政権まで支持基盤を異にする政権において同一の政策が採用されていると同時に、一国においても政権交代を経ても同一の政策が採用されている。本書では、新興諸国とよばれる諸国のほかに、最貧国で社会保障を海外援助に大きく依存する事例としてエチオピア、また体制転換を経て社会保障制度が広く普及している東欧の事例を加えた。海外援助に依存するエチオピアでは海外援助機関のもつアイディアの影響が大きく、すでに政党と支持層の利害が明確でそれに対応する社会保障政策が制定されていた東欧諸国では、アイディア・言説的要因よりも利益政治が分析の手法として有効であるとの結果となった。本書が多少なりとも新興諸国における社会保障に関係する事項に関心のある読者諸氏の知見を広げることに貢献できれば幸いである。

人文・思想・社会 > 教育・福祉 > 福祉

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