|
|
|
|
【POD】【復刻版】「すまい」と「くらし」--第三世界の住居問題ーー
|
1987年は国連の呼びかける「国際居住年」であり、とくに第三世界の各国では家なき人々の問題がクローズアップされた。この課題に注目したのが、本書のなりたちである。
「快適な「すまい」 を求めて苦悩し、闘う途上国の人々は、伝統から近代に移行しつつあるいま、より厳しい現実に直面しているようにみえる」とは、編者・堀井健三のことば(はしがき)であり、37名の研究者が、次の各国・地域の実情について執筆している。
東アジア(韓国、中国、香港)。東南アジア(フィリピン、シンガポール、マレーシア、タイ、ビルマ、ベトナム、インドネシア)、南アジア(インド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ)、中東(エジプト、トルコ、イラン、イスラエル、北イエメン)、アフリカ(コートジボワール、ケニア、ザンビア、南アフリカ)、ラテンアメリカ(ブラジル、アルゼンチン、コロンビア、チリ、メキシコ)、オセアニア(パプアニューギニア)。
これらほとんどの途上国・地域社会では、近代化にともなう人口の都市集中と住宅難が顕著であり、スラムの発生も社会問題化している。また農村部でも伝統的な住まい、家屋の多くは変貌を強いられつつある。1、2の例を挙げれば、社会主義国の中国では住宅は基本的に生産財として公有化されていたにもかかわらず、1980年代後半以降は実質的に私有化する制度改革が導入されてきているという。マレーシアのサラワク州(ボルネオ島)にみられるイバン族の住まいする伝統的なロングハウスは、焼き畑農業という生産構造の変化とあいまって、存続の危機を迎えている。
そのほか、各論にみられる人々の生活環境と住居問題の普遍的であると同時に多様な変化の様相が、生き生きと具体的に読者に迫ってくるのが本書の特徴である。
なお補章として「日本が途上国だったころ」がある。さきの『「こよみ」と「くらし」』にも付されていたように、日本についての「補章」は、編者によって途上国のそれに対して一種の“ものさし”の役割を果たすことを意図しているものである。
人文・思想・社会 > 民俗 > 民族学
|
 みんなの感想
登録している読者
この本を読んだ人はこんな本も読んでいます
|
|
|
|