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【POD】【復刻版】「きもの」と「くらし」--第三世界の日常着ーー
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人間社会固有の文化である「衣」の世界でも、とりわけ“衣服と環境”という問題意識をもって仕事着・普段着という日常着に視点を据えてみるとき、途上国の人々の現状にはどのような問題点がみえてくるのだろうか。それを本書は35人の論稿からまとめており、取り上げた対象地域は、次のとおりである。
東アジア(韓国、中国、台湾、香港)、東南アジア(タイ、フィリピン、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ミャンマー、ベトナム)、南アジア(インド、パキスタン、バングラデシュ、ネパール、スリランカ)、中東(イラン、エジプト、トルコ、イエメン、イラク、イスラエル、アルジェリア)、アフリカ(タンザニア、コートジボワール、ウガンダ、南アフリカ、ジンバブエ、ケニア)、ラテンアメリカ(ブラジル、メキシコ、コロンビア)、オセアニア(パプアニューギニア)、補章(日本)。
この時期の諸報告が語るものは、おどろくほど多様な各国・地域の衣服のありようである。それらは、各民族の歴史、社会そしてその時点での政治状況をも反映していて、興味が尽きない。韓国や日本では伝統衣装である韓服、和服は日常着からはすでに姿を消している。いっぽう南アジアのインドなどの国々では民族衣装のサリーがその機能性と美を誇って女性の日常着に主流の位置を占め続けているし、東南アジアのビルマ(ミャンマー)でも腰巻様のロウンギーが男性にも健在だった。イランなどのイスラム諸国ではいったん後退した女性のヘジャブ着用などがイスラム原理主義の台頭などの政治社会状況とあいまって復活、厳格化されている。イエメンの男性の半月刀(ジャンビーア)を帯びた普段着姿もある。
21世紀も四半世紀を迎えた現在、ここで取り上げた国々・地域の実情がどうなっているのか、意外と変わっていないのか、再論の機会を待望したい。
人文・思想・社会 > 民俗 > 民族学
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