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半自叙伝 (河出文庫)
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見た事と見なかったはずの事との境が私にあってはとかく揺らぐ。あるいは、その境が揺らぐ時、何かを思い出しかけているような気分になるー空襲に怯え、敗戦の焼跡を走りまわった幼年期、文学との出会いと高度経済成長の時代、そして現在まで。老年と幼年、重なりゆく記憶の中に作家は何を読み、自身の創作をどう生きてきたのか。魂の往還から滲む深遠なる思考。
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