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赤外線男 (春陽文庫)
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他6編
海野十三の名は今日、“日本SF小説の父”として記憶されているに違いない。だが、十三が小説を発表しだした昭和の初期にはまだ、“空想科学小説”という名称すら一般的ではなかった。したがって、十三は探偵文壇の一員として創作に励み、自身の探偵小説を“小説の衣を着た通俗科学技術なのである。これが非常に面白と自薦するのではないが、日本の小説界なり科学技術界には、かうしたものが欠けてゐる”のを不満としてやがて変貌していく。その海野十三と小社との縁は深く多くの著書を刊行しているが、本書『赤外線男』は昭和八年六月の刊で、『新青年』でのデビュー前の作品である「三角形の恐怖」をはじめ、名探偵帆村荘六が活躍する表題作まで全七作を収録して、そのエッセンスに満みた一冊である。
小説・エッセイ > 日本の小説 > 著者名・あ行 文庫 > 小説・エッセイ
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