|
|
倭人語で読む卑弥呼
|
魏志倭人伝は三世紀のわが国の外交史を語る貴重な存在である。最初は学者の掌中の宝であったのが、研究者の努力によって一般の国民も読めるようになり、続いて研究者のみならず素人も倭人伝二千字を解読するようになった。魏中国の正治元年(240)、魏使が倭国を訪れた。彼らはたっぷり倭国を見学し記録した。彼らは当時の倭国の実態をその目で見て、その耳で聞いて、自分らの国の字がもつ音で記録した。だから魏志倭人伝に書かれている国名・官名・人名の音読みは正しいと考えてよいと思われる。倭人語は、その音韻を字に置換していた。その字とは中国文字(漢字)である。中国漢字に訓読みはない。しかし日本漢字には訓読みがある。著者はこの差を追求した。そして倭人語の実態を普遍的に規定することを実現した。それが本書である。本書では古事記や日本書紀をしばしば引用しているが、実は古事記や日本書紀は倭人語で書かれている世界に比類のない稀書なのであった。本書では卑弥呼女王についての資料を、魏志倭人伝、古事記・日本書紀、および地形図(五万分の一・二万五千分の一)から得てまとめている。
人文・思想・社会 > 歴史 > 日本史
|
みんなの感想
登録している読者
この本を読んだ人はこんな本も読んでいます
|
|
|