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境界つき多様体のディラック作用素
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Atiyah-Patodi-Singerの指数定理
マサチューセッツ工科大学における講義録をもとにして、著者メルローズが自ら書き下ろした体系的解説書“The Atiyah-Patodi-Singer Index Theorem”の日本語版である。本書で著者は、大域解析学の代表的定理である「境界のない多様体」の指数定理を模範として、「境界つき多様体」の指数定理の基礎概念の準備から始めている。そして定理の定式化、証明、応用までを、解析学の視点から詳述している。著者が創始した本書の基本概念である「b幾何」「b計算法」のbとは、境界(boundary)のこと。本書を通じて著者は、境界つきコンパクト多様体の基本結果であるAtiyah-Patodi-Singerの指数定理を、境界で退化するディラック作用素で明快に定式化し、証明の骨組みを述べ、b幾何と擬微分作用素のb計算法で肉付けている。定理の証明を軸にして、爆発操作による漸近解析の単純化、境界つき多様体の上の熱核の方法、リスケーリングなど、洗練された技術と考察に富み、幾何への応用など多様な話題が展開されている。
科学・技術 > 数学
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