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他者としての身体
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超越論的間主観性の基礎づけのために
自己が自己であるということは一般に思われているほど自明な事実であろうか。なるほど、日常生活において、自己とは何かという問いはほとんど不要であり、あらためて主題化されることはないだろう。だが、ひとたび哲学的反省が作動するや否や、自己の自己性はその自明性を剥奪され、謎と化す。自己が自己であるためには、自己ならざるもの、すなわち他者の存在が前提されていなければならない。他方、他者が他者として存するためには、他者ならざる自己が存していなければならない。換言すれば、自己の自己性と他者の他者性とは或る相関関係のもとに成立しているということである。まさにこの自己を自己たらしめ、他者を他者たらしめるところの根拠が奈辺に存するのか。身体を導きの糸としてこの根源的な相関関係を解明していくのが本書の狙いである。
人文・思想・社会 > 哲学・思想 > その他
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