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エリザベス朝の世界像 (筑摩叢書)
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従来ルネサンスは、個性を解放し近代の進歩を用意する曙の時代とされてきた。しかし実際は、燃え尽きんとする蝋燭がひときわ明るくなるような、巨大な中世の夕映えの時代だったのだ。シェイクスピアやミルトンの率直で剛健、豊饒な作品を支えているのは、中世の世界観なのだ。すなわち彼らはこう考えていた。石ころから天使に至るすべての存在は、不可視の鎖によって秩序正しくつながっており、人間は惑星の運行に対応して行動しなければならず、その惑星や恒星は天球の音楽に合せて舞踏している、と。偉大な作品の母胎が伝統と時代精神であったことを、鮮やかに実証する。ルネサンス観を転倒させた名著の決定訳。
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