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ヴェサリウスの柩
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解剖実習中“ご遺体”の腹から摘出された一本のチューブ。その中には、研究室の教授を脅迫する不気味な詩が封じられていた。「園部よ私は戻ってきた。今ここに物語は幕を開ける…」。動揺する園部。彼を慕う助手の千紗都は調査を申し出るが、園部はそれを許さない。しかし、今度は千紗都自身が、標本室で第二の詩を発見してしまう。「黒い絨毯の上で死者は踊り生者は片腕を失うだろう…」。事務員の梶井に巻き込まれる形で調査を始めた千紗都は、チューブを埋め込んだ医師を突き止める。だが、予想外の事実に千紗都は困惑したーその医師は十九年前に自殺していたのだ。抜群のリーダビリティ、骨太のストーリー、意表を衝く結末ー第16回鮎川哲也賞受賞の傑作ミステリ。
小説・エッセイ > 日本の小説 > 著者名・あ行
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