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封印される不平等
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日本の社会は今、大きく分断されつつある。1つは、アメリカ型の競争社会の到来を喜び、格差の大きい社会こそ効率的な社会だと信じるグループ、いわゆる勝ち組であり、もう1つは、繰り広げられる競争から知らぬ間に締め出されつつあることに気づかないまま、「自己責任」の言葉で負け組としての生活を強いられるグループである。どちらのグループからもひろがりつつある日本の「機会不平等」は目を背けられ、「封印」されている。本書では、この不平等をめぐる奇妙な真空状態、「封印されている」状態を白日の下にさらす。第1部の座談会では、橘木俊詔(編著者)と苅谷剛彦、斎藤貴男、佐藤俊樹という各分野における「不平等」の第一人者が、不平等をめぐる今の日本社会の奇妙な「真空状態」、「さわりたくなさ」の正体を探る。そして第2部では、橘木俊詔によって不平等に関して理論的・実証的な分析がなされ、どのようにすれば公平と効率を両立させることができるのか、その政策を探る。
人文・思想・社会 > 社会科学
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