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くらやみの天使たち (Futaba novels)
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著者 | 辻真先
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出版社 | 双葉社
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発売日 | 1987年10月01日頃
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サイズ | 新書
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価格 | 759 円
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長編異色ミステリ-
「重宗…あんなことで、なにをしていたんだ?」私が不審げに眉を寄せたのも当然だ。ドアを蹴破らんばかりにトイレを出てきたにしては、重宗はズボンひとつ乱れていない。だが彼は、私の質問に答える余裕もないようだった。「あ…あれ…」指さした先を見て、私たちは息を飲んだ。重宗が飛び出したトイレの中に、真赤な液体が流れていた。それがなんなのか、すぐにはわからなかった。一瞬、(カゴメケチャップかな)と思ったほどだ。念を押しておくと、カゴメソースやカゴメケチャップは、この地方に本社がある。私に比べると、朴田はもう少しマシな観察力を備えていた。「血だ」と、彼はうめいた。「隣のトイレから、流れてきたんだ…」重宗が歯を鳴らしながら、言った。…かくして。第一の殺人事件は起こった。-終戦直後に思春期を迎えた、ヤングたちの、30余年にわたる愛と殺人の物語!
小説・エッセイ > 日本の小説 > 著者名・た行 新書 > 小説・エッセイ
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