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肌 (百年文庫 60)
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「落ちるところまで落ちた」-そんな思いで住みついたアパートみどり荘で、川上は隣室の若い女にふとした好奇心を抱く。憐れみから惰性へと関係を深めてしまう男女のあやうさ(丹羽文雄『交叉点』)。執筆のためカンヅメにされた旅館で、あれやこれやと「私」を世話する仲居の鈴音にはもう一つの顔があった(舟橋聖一『ツンバ売りのお鈴』)。零細映写機会社の支社長と事務員。恋して暮らして二十年、別れを迎えてなお高まる愛しさ(古山高麗雄『金色の鼻』)。ときに不可解な男女の性愛を描いた三篇。
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