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十六夜日記 (物語の舞台を歩く)
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『十六夜日記』は、阿仏尼が、我が子の荘園所有権の訴訟のため、都から東海道をくだって、鎌倉に下向した旅を描いています。それは、我が子の権利を守るため、また亡夫の遺言を守るための戦いの旅です。あらたな歌道家を創成するための挑戦の旅でもあります。中世においては少なからぬ貴族女性が、このように、訴訟のために鎌倉へみずから旅をしたのです。阿仏尼は、東海道や鎌倉のどのような風景をみて、歌を詠んだのでしょうか。どのような景物に目を留め、旅空間をどのように『十六夜日記』に書き記したのでしょうか。何に故郷を思い、子や亡夫を想い、涙したのでしょうか。中世の二つの都、京と鎌倉、そしてこの二つを結んだ東海道を、阿仏尼の眼で眺めながら、『十六夜日記』とともに旅をしてみませんか。
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