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川上音二郎と貞奴(2)
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アメリカ大陸を横断し、ヨーロッパの主要都市を巡演する、川上一座の破天荒な、しかし洒落たアヴァンギャルドな新演劇。三〇代の川上音二郎と貞奴、そして一座の人びとは日本近代社会“明治”という時代に生きる“現代の言葉と身体”を、世界の同時代人たちに見せてきたのである。国家権力の近くにいて、世界で“遅れて来た日本国”の役に立ちながら、権力に頼ることもせず、利用もせず、同業者からの攻撃の矢を一身に受けながらも自身の理想を求めて歩んだ音二郎と貞奴。内外の新資料を駆使して、彼らのさまざまな演劇的冒険と創造の全容を明らかにする本書は、日本近代演劇史研究の画期をひらく。
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