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占領軍住宅の記録(上) (住まい学大系)
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「デペンデントハウス」。この言葉は広辞苑をひいても建築の辞典に探しても見当らない。おそらく戦後初めて日本人が出会った言葉であり、実は日本の生活文化の近代化に不可欠な一項として記憶されるべきキー・ワードだった。1945年敗戦の日本占領下におけるワシントンハイツをはじめとする将校軍人層の占領下における「家庭用住宅」を指す。このデペンデント(扶養家族)という用語は、さかのぼればアメリカの西部開拓の歴史からすでにあったという。戦地、占領地にあっても家族はともにあるという、家族の絆、生活の原点を実践するシステムともいえる。そこには、現代生活にあるすべてがあった。リビングルームには調度品や家具、ダイニングルームやキッチンには数々の家庭用品が揃えられ、衛生的な設備などが完備された。特に電化製品(洗濯機、冷蔵庫、掃除機、空調機)は日本の庶民には衝撃ですらあった。これらの国産化を通して、わが国の生活革命が構築されてきた原点を検証する。
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