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くらげ色の蜜月 (竹書房文庫 異色短篇傑作選シリーズ と3-1)
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倫理もなく、理屈もない。奇妙な出来事が、ただそこにあるー。初々しい新婚夫婦。しかしふたりは、たがいに秘密を抱えていた。男はなぜ新婚旅行先に忌まわしい思い出が残る旅館を選んだのか。旧い結婚観が招いた悲哀劇を描く表題作「くらげ色の蜜月」。新発見の感染症の手がかりを追う保健所の職員が、歪んだ虹色の世界を覗き見る「蟻の塔」。アメリカで妊娠した修道女は、日本で病床にある教主とのあいだにできた御子だと主張するが…。果たして、彼女が語るのは奇蹟か幻想か。現実が霞む「聖女」。女の生涯には、常に蟻が蠢く。虫と狂気の物語「蟻の声」。光に眩み、闇に溺れる。罪を犯して贖いて、果てに待つのはおぞましくも美しき混沌の世界。地獄極楽板一枚。ただひたすらに、酔え、惑え。初収録作品を含む、江戸川乱歩賞作家円熟期の短篇集。
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