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恐怖箱怪癒 (竹書房文庫)
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実話怪談で傑作、大作という言葉を使うことが適切かどうかはわからない。だが本書の最後、約70ページをさいて収録された「蛇の杙」は著者渾身の一作であるとともに、実話怪談というジャンルにおいて恐らく今後も名を残す逸話であろうと思う。現役看護師である著者が真摯な眼差しである因縁を背負った家族に纒わる怪奇事件を追い、静謐な筆致でありのままを記録した内容は、深い衝撃と忘れがたい恐怖を我々の心に刻みつける。ひょっとして触れてはいけない話だったのかもしれないという一抹の居心地の悪さとともに…体験者の方に対しても、怪異や霊魂そのものに対しても、ある種畏怖と畏敬の念を抱かざるを得ない話である。実話怪談を愛する読者諸氏にはぜひご一読をお勧めしたい。
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