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性的不能の文化史
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「性的不能」とは“歴史的なタブー”だった。西洋世界では、この烙印を押されることが「同性愛者」や「狂人」と同じく“社会不適格者”とみなされたからである。男たちは、必死に“男らしさ”を競い続け、中世では股間に物を詰めて誇張する服装すら流行した。ところが歴史上の著名人には、じつは不能者も多い。彼らは、この苦難を一生隠蔽し闘いつづけたのだ。本書は、古代メソポタミアの呪文から、古代ギリシアの薬草、中世の「性的不能者裁判」、近世の“インチキ”治療薬や外科手術、そしてバイアグラの現代までの、男らしさを追い求めた、知られざる男性の受難と苦闘の歴史である。
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