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『ガラテア書』註解 (知泉学術叢書 16)
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パウロは熱烈なユダヤ教徒だったが、キリスト教に改宗した。彼は初め他の使徒たちとともにユダヤ人に福音の宣教をするが、ユダヤ人のキリスト教徒や使徒たちの無理解と迫害を受け、それを機に異邦人たちへの伝道に旅立った。彼はガラテアの地で多難な経験をしつつ、律法への執着を断ち、受難者キリストの福音に導こうと格闘する。トマスは本註解で、その実態に迫りつつ、キリストの福音を伝える彼の思いを生き生きと紹介し、キリスト教信仰の本質を考察する。律法と福音の強い緊張下で、新たなヘレニズム世界のもとにある異邦人たちに、パウロはどのように福音の意味を説明し、説得していったのか。ガラテア書は使徒パウロの苦心のはたらきを見事に伝えるとともに、ユダヤ教を超えてキリストの受難の意味を通して、福音の真実を解き明かし、キリスト教の意義を明らかにする。
人文・思想・社会 > 宗教・倫理 > キリスト教
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