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復活のヴェヌス (ヴェヌスの秘録)
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ヴェヌスへ向かうサブヴェネリンの中は異様な熱気に満ちていた。オプテックス・ガラスの窓の向こうに、エア・ドームに包まれた“都”があらわれる。歓喜に沸く乗客たちの喧騒をよそに、漆黒の肌のミュージシャン、ピカロの表情は冴えないものだった。その姿はまるで黒炭でつくられた悩める彫像のようだ。「ピカロ、あなたは海の底で死ぬのよ」黄金の瞳の美しい母、シムーンの言葉が何度も思いだされる。-“都”で18世紀に流行った歌が奏でられるというコンサートの日。しかし音楽の始まりとともに、ヴェヌスは壮絶な惨劇の舞台と化したのだった。血にまみれ倒れ重なる人々。当局からは「CXシステムの故障により生じたアクシデント」との説明がなされたが…。水の都ヴェネチアのパラレルワールド“ヴェヌス”で繰り広げられるタニス・リー傑作ロマンティック・ファンタジー「ヴェヌスの秘録」シリーズ衝撃の終幕。
小説・エッセイ > 外国の小説
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