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反省するな,俯瞰せよ
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メタ認知の形而上学
SNS・コト消費(スマホ)を通して他者と過剰接続する時代に求められるのは、孤独の時間を過ごすことだと挙って今日の自己啓発書は唱える。ソロータイムでは自然と「心の中の他者」を交えた内省や反省の機会が多くなる。ところが、内省や反省は、近代文学の文豪ほどではなくても、多少なりとも私たちに自己分裂や葛藤を起こさせる。内省や反省は自己を箱の中に閉じ込める元凶である。これに対し、筆者は箱の外へ脱出する手段として私たち人間に備わった、能力としての解離をベースとする「メタ認知=俯瞰」を推奨する。特に、メタ認知は、私たちがぼんやりと過ごすことで、「もう一人の自己=他者」から自己をモニタリングするよう仕向けてくれる。しかもメタ認知は、他者理解を通しての自己理解という進化生物学の摂理にも符号する。今こそ、「『メタ認知=俯瞰』の隠された機能の気づきを!」と叫びたい。
人文・思想・社会 > 心理学 > 異常心理学
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