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生存のための身体信号 (脳・心のサイエンス)
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ホメオスタシスへの回帰
神経科学者、A.R.ダマシオは、「脳だけでは心は生まれない」という立場から、脳と身体の相関性を重視し、ソマティック・マーカー仮説を提唱した。それは、私たちが環境からの働きかけを感知し、入力すると、扁桃体および腹内側前頭前野(VMPFC)を通して内部で情動的な身体反応が喚起され、その信号が推論や意思決定を促進するというものである。その後、こうした身体ループに加えて、実際に身体反応がなくてもイメージだけでリスクを察知する仮想的身体ループが見出され、同仮説は拡張された。ソマティック・マーカー(身体信号)は、私たち人間が生き存えるために脳内に備わった機構であり、まさしく、「脳の中の身体」と呼ぶに値する。
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