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北国の人々 (トレビ文庫)
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4月上旬、妻は湯治に出掛けて予定より遅く5月中旬に帰って来た。帰宅後10日程すると時期が来たのに生理がないといったが、笠原はまさかと思っていると、そのうち妻は食欲がなくなり吐気を催し、明らかに悪阻の症状を呈して来た。これには笠原も驚くと共に狼狽してまった。妻が帰宅してから生理予定日迄の10日ばかりの間に2度程妻と同衾した事はしたが、自分には妊娠させる能力がない筈だがら、もし妻が本当に妊娠したとすると温泉場で妊娠して来た事になる。笠原はえらい事になったと思ったが…(「北国の人々」より)
小説・エッセイ > 日本の小説 > 著者名・やらわ行
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