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パタゴニア流浪の日々
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1870年,29歳のハドスンは,あやうく難破をまぬがれ,生命の危険をおかしてあこがれの地パタゴニアにたどりついたが,やがて,思わぬ負傷からしばらくは動くことも歩くこともできなくなり,けっきょく流浪の身をこの曠野の現地人たちの情に托することになった.そして,この地で無為の日々を送るうちに,リオ・ネグロ流域の自然の無双の相貌は,彼の思想に大きな影響をおよぼし,彼の心情に,一種のうるおいと深さをあたえ,その進路に方向転換をうながす結果になった.本書は,そのときの経験を52歳のときにまとめて出版したものである.前年に刊行した姉妹篇『ラ・フラタの博物学者』とともに自然風物エッセイに独自の境地をひらいた記念すべき作品である.
人文・思想・社会 > 文学 > その他
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